初期中絶手術(人工妊娠中絶手術)は吸引法と掻爬法(ソウハホウ)の2種類の手術方法があります。それぞれの特徴をご紹介します。
初期中絶 【初期中絶妊娠11週6日目まで】
【吸引法】WHO世界保健機構や国際産婦人科連合でも推奨されている
吸引法の特徴
- 手術方法:ストロー状の器具を子宮内に挿入し、子宮内の胎児や胎盤を吸引する
- 術前処置 :不要(必要に応じて手術当日の静脈麻酔後に、子宮口を広げる処置を行う場合がある)
- 合併症のリスク・頻度:少ない
- 痛み:静脈麻酔をするため基本的に痛みを感じることはない
☆日本では吸引法を行う医療機関が少ない
☆手術時間が短く、出血量が少ない
【掻爬法】日本では主流の中絶方法 多数のクリニックで行われているため、クリニック選びの選択肢が多い
掻爬法(ソウハホウ)の特徴
- 手術方法:スプーン状の器具や鉗子を用いて、子宮内容物を掻き出す
- 術前処置 :必要
- 合併症のリスク・頻度:多いふふ
- 痛み:術前処置で子宮口を広げる際に、痛みを感じる場合がある
☆吸引法に比べると手術と麻酔の時間は長くなる
☆手に子宮内の状態が伝わってくるため、経験豊富なドクターであれば状況を把握しやすい
☆多数のクリニックで行われているため、クリニック選びの選択肢が多い
人工死産 【中期中絶 妊娠12週~21週6日目まで】
中期中絶手術の特徴
- 手術方法: 薬剤で人工的に陣痛を起こし出産(出産と同等の痛みを感じます)
- 所要時間: 入院が必要(1日以上~数日)
- 費用 : 45万円ほど
- 届け出 : 死産届の区役所への提出が必要
- 埋葬 : 埋葬許可証を取得し、埋葬が必要
中期中絶は出産と同じような形で分娩する方法で手術を行います。そのため数日の入院が必要となります。分娩と同じ母体リスクに対応できる設備の整った施設を選びましょう。